糖質制限を行うことで、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを軽減できるほか、体重管理や脂肪燃焼効果も期待できます。ただし、糖質制限で実際にダイエットの効果が出てくるまでには3週間程度の期間が必要です。効果が実感できるまで、低糖質食品を活用したり、十分な水分摂取を意識したりしながら糖質制限を続けましょう。
当記事では、糖質制限を始めてからどのくらいのスピードで痩せるのかについてご紹介します。糖質制限による身体の変化や、効果的な糖質制限の方法について知りたい方は、当記事をぜひご覧ください。
目次
1. 糖質制限とは?
糖質制限とは、身体のエネルギー源である糖質の摂取を制限する食事法です。糖質を摂りすぎると体内でブドウ糖が一気に増え、血糖値が上昇します。上がってしまった血糖値を下げるためにインスリンの分泌量が増え、糖が脂肪として蓄積されるのを促すインスリンの効果によって、身体に脂肪がつきやすくなります。
(出典: e-ヘルスネット(厚生労働省)「インスリン」/https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-011.html)
糖質制限のポイントは、食後の血糖値の急上昇を抑えるために、適度に糖質の摂取量をコントロールすることです。糖質制限では通常のダイエットと違い、カロリー制限ではなく糖質の量を制限します。糖質を抑えれば自然と摂取カロリーが減少し、結果としてダイエット効果が得られます。同時に、個々の体質や生活環境によりますが、食後の血糖値の上昇を抑えることで身体が脂肪を溜め込みにくくなり、痩せやすい体質を作れます。
つまり、適切な糖質制限を行うと、健康的に体重管理を行いながら、身体のエネルギー効率も向上させられます。
2. 糖質制限で痩せるスピード
糖質制限は、人にもよりますが一般的には3週間程度で効果が現れると言われています。以下では、糖質制限を実際に始めてからどのような効果が現れるか、期間と身体の変化を経過ごとに説明します。
2‐1. 糖質制限開始から1週間後
糖質制限を始めて1週間が経過すると、身体にいくつかの変化が現れます。糖質制限の初期に多くの人が経験するのは、体重の一時的な減少です。これは、糖質制限によりこれまで糖質から摂っていた水分が減るために起こります。減少した体重の多くは水分の減少によるもので、実際の脂肪の減少ではない点に注意が必要です。水分不足は、身体の代謝機能に悪影響を及ぼす恐れがあるので、糖質制限中は適切な水分摂取を心がけましょう。
また、糖質制限開始直後には、一時的な集中力の低下や眠気を感じる人もいます。これは、身体が以前の糖質量に慣れており、急激な糖質の削減によって脳がエネルギー不足を感じることが原因です。このような症状は一時的なもので、通常は身体が徐々に糖質制限に適応していき改善されますが、万が一症状が長引く場合や不安を感じる場合は専門家に相談しましょう。
2‐2. 糖質制限開始から3週間後
糖質制限を開始してから約3週間が経過すると、身体はエネルギー源として脂肪を燃焼する段階に入ります。この時期になると、糖質の代わりに体内の脂肪がエネルギーとして利用されるため、ダイエットの効果が現れ始める人も多いです。ただし、これには個人差があり、脂肪燃焼が始まるまでにより長い時間がかかるケースもあります。
糖質制限を続けていると、便秘になりやすいため注意しましょう。便秘の症状は、炭水化物の摂取量が減少することで食物繊維の摂取量が減ってしまう影響で発生します。
食物繊維は便の量を増やし、便秘解消に役立つ重要な役割があります。野菜や果物、全粒粉製品などを日常的に取り入れ、糖質制限中も食物繊維を十分に摂りましょう。定期的な運動も腸の活動を促し、便秘解消に寄与します。また水分不足も便秘を引き起こす一因なので、引き続き水分を多めに摂るよう意識しましょう。
2‐3. 糖質制限開始から2~3か月後
糖質制限を始めて2~3か月が経過すると、血糖値の安定やホルモンバランスの改善から、肌の調子が整う、気持ちが安定するなどのポジティブな効果も人によっては見られます。
一方で、体重の減少が一時的に止まる「停滞期」と呼ばれる段階に入るケースもあります。身体が低いエネルギー消費に適応しようとする反応であり、ダイエット中にはよくある事象です。
停滞期に重要なのは、糖質制限の取り組みを無理なく続けることです。体重が減らないからと言って、過度な食事量の削減は避け、バランスのよい食事を改めて心がけましょう。糖質制限を1日だけ休む「チートデイ」を実施するのも効果的です。食事量を急に減らすと、身体が更なるエネルギー不足と判断し、かえって代謝が悪くなり停滞期が長引きます。
また、停滞期を乗り越えるために、運動を取り入れることも効果的です。適度な運動によって筋肉量を維持し、基礎代謝量を高められれば、エネルギー消費を促進できます。筋トレやウォーキングなど、日常生活に組み込みやすい形で運動を取り入れるのがおすすめです。
3. 糖質制限で早く痩せるためのコツ
最後に、糖質制限でなるべく早く痩せるコツを解説します。糖質制限には地道な努力が必要ですが、「つらい」と感じると続けにくくなってしまうため、無理せず一つひとつ取り組みましょう。
3‐1. 食事は適切に制限する
糖質制限で順調に痩せるためには、糖質制限自体がストレスにならないよう、急激に糖質を減らすのではなく、徐々に糖質の摂取量を減らしていくアプローチが望ましいです。また糖質を減らしている最中も、便秘防止と水分と身体の調子を整えるために、意識的に食物繊維を摂取する必要があります。
その他の注意点として、糖質を制限しすぎて空腹を補うために主菜の量が増え、カロリー摂取が過多になる可能性もあります。メインの食事量は適切に保ち、バランスのよい食事を心がけましょう。
カロリー制限に関しては、以下の記事で紹介しています。カロリー制限の基本やメリット・デメリットを知りたい方は、ぜひ以下も参考にしてください。
3‐2. 適度に運動する
基礎代謝が落ちないよう、糖質制限中は適度に運動をしましょう。身体の脂肪燃焼を助けるため、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動も取り入れると効果的です。
有酸素運動の際に重要なのは、速さよりも心拍数を意識することです。ランニングの際は、無理に速く走るのは避け、丁度いいペースを保ちましょう。適切な心拍数で運動をすることにより、身体は脂肪を効率的に燃焼します。
また、有酸素運動は筋トレ後に行うと、脂肪燃焼の効率を高めることが可能です。筋トレは体内のグリコーゲン(糖)を消費するため、筋トレで体内の糖を消費した後に有酸素運動をすると、脂肪をエネルギー源として消費できます。
3‐3. 継続する
糖質制限で効果的に痩せるためには、継続が鍵となります。糖質制限の効果を実感するまでには3週間程度かかるものの、継続することで次第に体重が減少するでしょう。
食事制限が大変だと感じる場合は、例えば「ぷるんちゃん」のような、低糖質の代替食品の利用も検討するとよいでしょう。美味しさと手軽さを兼ね備えており、無理なく糖質制限を続けられます。
目標体重に達した場合も、急に食生活を元に戻すとリバウンドの危険があるため、ゆっくりと食事を元の状態に戻していくことが大切です。
まとめ
糖質制限中は糖質の摂取量に注意するだけでなく、全体の栄養バランスを見直し、特に食物繊維や水分の摂取を意識することが健康的な糖質制限を実践する上で重要です。極端な糖質制限は身体に負担をかけ、健康に悪影響を及ぼすリスクがあるので、気をつけてください。
糖質制限を開始してから2~3か月経つと、停滞期に入る場合がありますが、これは一時的なものです。運動で基礎代謝を上げたり、糖質オフの食品をうまく取り入れたりしながら、長期的な視点を持って糖質制限を続けましょう。栄養素をバランスよく摂り、炭水化物以外から必要なエネルギーを確保することで、健康的に糖質制限を続けやすくなります。