体重を減らしたいと考える方が最初にとる代表的な手段が、食事制限です。食事制限とひとくちに言っても「何を制限するか」によって種類が異なります。「糖質制限」や「カロリー制限」は主流の食事制限ですが、それぞれの違いは何なのか、自分にはどちらが適しているのかが分かっていない方も多くいるでしょう。
そこで今回は、糖質制限とカロリー制限それぞれの概要と違い、メリット・デメリットなどを詳しく紹介します。糖質制限・カロリー制限に興味がある方はぜひご覧ください。
目次
1. 糖質制限とカロリー制限の違いは?
糖質制限ダイエットをすれば自ずとカロリーも制限されるため、厳密に言うと糖質制限もカロリー制限における手段の1つと言えます。糖質制限とカロリー制限の具体的な性質の違いを知るためには、それぞれの概要を把握しておくことも大切です。
まずは、糖質制限とカロリー制限の基礎知識について詳しく紹介します。
1-1. 糖質制限とは
糖質制限とは、日々の食事における糖質の摂取量を制限し、血糖値の上昇による脂肪の蓄積を抑えるダイエット法です。摂取する糖質量を減らす代わりにたんぱく質や脂質などはしっかりとるというシンプルな方法であるため、気軽に始めやすいでしょう。
糖質を含む炭水化物は人間に欠かせない三大栄養素の1つであるため、糖質制限ダイエット中だからと言って糖質をまったく摂取しないのもかえって良くありません。日本人の1日あたりの糖質摂取量は約300gと言われているため、糖質制限ダイエットをする場合は70〜130g程度に抑えましょう。糖質摂取量を70〜130g程度に抑えるダイエット法はロカボと呼ばれています。
糖質摂取量は個人の体質やゴールによって異なるため、無理なくほどほどに、かつ確実に目標を達成できる量を設定しましょう。
糖質制限ダイエットの基本的なやり方については、下記記事でも詳しく紹介しています。糖質制限の基礎知識やメリット・デメリットを知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。
(内部リンク:「糖質制限ダイエットやり方」)
1-2. カロリー制限とは
カロリー制限とは、日々の食事で摂取カロリー量を制限し、余分なエネルギーによる体脂肪の蓄積を抑えるダイエット法です。減量を目指すには、カロリー制限でカロリー摂取量を減らしたり、運動で消費カロリー量を増やしたりしなければなりません。
カロリー制限ダイエットを行うときは、活動量によって異なる「人間が1日あたりに必要とするエネルギー量」を把握することが大切です。下記表では身体活動レベルごとに推定エネルギー必要量をまとめたので、参考にして自身に合ったエネルギー必要量を確認しましょう。
【推定エネルギー必要量(kcal/日)】
男性 | 女性 | |||||
身体活動レベル | 低い | 普通 | 高い | 低い | 普通 | 高い |
18~29(歳) | 2,300 | 2,650 | 3,050 | 1,700 | 2,000 | 2,300 |
30~49(歳) | 2,300 | 2,700 | 3,050 | 1,750 | 2,050 | 2,350 |
50~64(歳) | 2,200 | 2,600 | 2,950 | 1,650 | 1,950 | 2,250 |
(出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」/https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf?_ga=2.260678221.1161038850.1700445273-122798001.1685437642)
身体活動レベルが高いほど消費エネルギー量も多くなり、その分1日あたりの推定必要カロリー量、つまり摂取できるカロリー量も増えることとなります。
2. 糖質制限・カロリー制限のメリット
糖質制限・カロリー制限によって得られるメリットは、それぞれ以下の通りです。
糖質制限のメリット(1)短期間でダイエットの結果が表れやすい |
糖質制限は、「普段の食事メニューから糖質が多く含まれる食品を減らすだけ」という簡単なダイエット法となっています。日本人の主食である白飯やパンは炭水化物が豊富なことでも知られていますが、これらを抜くだけでも糖質量を大幅に制限できるため、努力と比較して結果が出やすいことが大きな魅力です。 |
糖質制限のメリット(2)食事の自由度が高いので空腹感を感じにくい |
糖質制限食は、工夫の余地があることも大きな魅力です。主食である白飯をしっかりと減らした場合でも、主菜で甘みのある調味料を足したり間食に少しだけおやつを食べたりしても、摂取する糖質が微量であれば問題ありません。 糖質をしっかりコントロールすることが前提ですが、主食を減らす代わりに間食を増やすなど食事の自由度も高まるため、空腹感が感じにくくなる点もメリットと言えるでしょう。 |
糖質制限のメリット(3)栄養のバランスをとりやすく健康的に痩せやすい |
糖質制限中は、糖質の摂取を制限する代わりに、肉類や魚介類、野菜などを増やして栄養バランスを整えられます。日常生活においてストレスが溜まるほどの我慢をしながら食事制限する必要はなく、比較的健康的に痩せやすいことも魅力と言えるでしょう。 |
カロリー制限のメリット(1)カロリーの範囲内で好きな食事ができる |
カロリー制限は、摂取するエネルギー量を抑えるという単純な食事制限法であるため、カロリー範囲内であれば基本的にどのような食事内容でも問題ありません。ただし、低栄養になる可能性もあるので、ある程度の栄養バランスは意識しましょう。 |
カロリー制限のメリット(2)体重の減少が緩やかなので体への負担が少ない |
カロリー制限中の減量は比較的緩やかであることが多く、急激な体重の変化による体への負担が少なくなっています。特に女性の場合、過度なダイエットによる負担で月経が止まるケースが度々見られますが、体重が緩やかに減少しやすいカロリー制限ではこうしたリスクがほとんどありません。 |
3. 糖質制限・カロリー制限のデメリット
糖質制限・カロリー制限はメリットだけでなく、デメリットもあります。以下では、それぞれのデメリットと解決方法を紹介します。
糖質制限のデメリット(1)低血糖による症状を引き起こす可能性がある |
これまで糖質を多く摂取していた方の場合、糖質制限によって低血糖状態となり、頭痛やめまい、倦怠感といった症状を引き起こすおそれがあります。低血糖状態に陥らないためには、最初から過度な糖質制限を行うのではなく、徐々に制限していくことがおすすめです。 |
糖質制限のデメリット(2)便秘になる可能性がある |
糖質が多く含まれる食材の中には、腸を整える役割をもつ食物繊維が豊富に含まれているものもあります。糖質制限に向けた食事に切り替えることによって、自ずと食物繊維の摂取量も大幅に減り、結果として便秘を招くリスクがあります。便秘を回避するためには、積極的に水分を補給したり、水溶性食物繊維が多く含まれた海藻類や野菜を取り入れたりすることがおすすめです。 |
カロリー制限のデメリット(1)リバウンドしやすい |
過度なカロリー制限を行った場合、基礎代謝が低下したり、飢餓状態に陥ったことによってエネルギーの吸収率が高まったりする可能性があります。制限中は一時的な減量を感じるケースもありますが、普段通りの食事に戻した場合にはリバウンドしやすくなることにも注意が必要です。リバウンドを防ぐためにも、過度なカロリー制限は避けましょう。 |
カロリー制限のデメリット(2)筋肉量が落ちやすい |
過度なカロリー制限は、筋肉量の低下にもつながります。人間の体は、食べ物からエネルギーを吸収できなくなると、筋肉を分解してエネルギーを得ようとする「糖新生」が起こるためです。エネルギー不足の状態に陥っている場合、どれほど筋トレをしたとしてもエネルギーが足りていなければ筋肉量を増やすことができません。エネルギー不足を防ぐためにも、自分に合ったエネルギー量を把握した上で、適切な食事内容と期間でカロリーを制限しましょう。 |
4. 効果的にダイエットをするなら糖質制限がおすすめ
糖質制限・カロリー制限はいずれも一長一短あり、人によってどちらが向いているかも異なります。以下は、糖質制限に向いている人の特徴と、カロリー制限に向いている人の特徴です。
糖質制限が向いている人の特徴 |
運動習慣がない人主食よりもおかずが好きな人食べる量をなるべく減らしたくない人 |
カロリー制限が向いている人の特徴 |
主食が好きな人負担なく健康的に痩せたい人 |
カロリー制限は比較的簡単で、かつ緩やかな減量を目指す方にとっては体への負担も少ないことが魅力のダイエット法です。糖質制限は食事法や食事量に工夫を凝らすことでストレスなく減量を目指せるほか、カロリー制限と比較するとリバウンドの可能性も低くなります。
まとめ
糖質制限は、糖質の摂取量を制限して血糖値の上昇を抑えるダイエット法であることに対し、カロリー制限は摂取エネルギー量を制限するというダイエット法です。糖質制限ダイエットをするとカロリーも制限されるため、糖質制限もカロリー制限における手段の1つと言えます。
無理なく糖質を抑えるには、日々の食事の中で糖質ゼロ食品を取り入れるのもおすすめです。お米のような糖質ゼロの粒「糖質0gぷるんちゃん粒タイプ」は、ぷるんとした新食感でいつものご飯を簡単に糖質オフできる食品です。そのままはもちろん、白米と一緒に炊飯してもおいしく食べられるので、糖質制限ダイエットを無理なく続けられます。